2015-01-01から1年間の記事一覧

戦後70年の年、及び我が子が生まれた年の最後の日に

第2次世界大戦が終結してから、今年は70年経過したわけですが、いまだに、あるいは70年たったから「南京事件はなかった」とか「慰安婦問題は捏造」等という人が少なからずいます。こうした事態について、私も言うべきときに言うべきことを言ってこなかった…

南京事件について、あったと言う側がまずあったことを証明しろ、という主張がおかしい理由

自分が嘘をついていることを、他人に知られても平気な人間もいるのだな。 - davsの日記に同じ言葉を返します氏が以下のようにコメントした。 裁判では刑法に触れる事実が「あった」とする検察側に立証責任がある 南京事件も同じ。「ない」と主張する側には「…

それは70年前に出た話だ。

以前の記事で、言及した笠原十九司氏の『南京事件論争史―日本人は史実をどう認識してきたか (平凡社新書)』を読むと、南京事件否定論者の主張の多くが、東京裁判の弁護側の主張として既に出ていたことが分かる。同書から引用すると下記のようになる。 証人の…

市民が30万人殺されたのが南京事件?〜藤岡信勝氏のとても狭い虐殺の定義

前の記事ふたつで、藤岡信勝氏の南京事件否定論について書いたが、藤岡氏の南京事件の定義は独特のものだ。 過去15年間の南京研究の成果を要約するのは簡単ではない。もし、その結論をひとことで表すとすれば「南京戦はあったが、『南京虐殺』はなかった」…

それでは、日本には殺人も強盗も強姦も放火もないのだろう。〜藤岡信勝氏の南京事件否定論

前回の記事に続いて藤岡信勝氏が『正論』12月号に書いた南京事件について書いた記事について書く。 【世界記憶遺産】中国版「アンネの日記」こそが南京大虐殺がなかった証拠だ! 藤岡信勝(拓殖大客員教授)(1/10ページ) - 産経ニュース藤岡信勝氏は、そ…

秦郁彦さん! こんなことを言われちゃっていますよ。

物を知らないとは恐ろしいことと言うか、無知ゆえに大胆になれるという見本だろう。藤岡信勝氏が『正論』12月号に書いた南京事件について書いた記事が、産経新聞のサイトに転載されていた。 【世界記憶遺産】中国版「アンネの日記」こそが南京大虐殺がなか…

櫻井よしこ氏はティンパリーの著作を読んだのだろうか。

櫻井よしこ氏が「週刊新潮」2015年の12月10日号にコラム「日本ルネッサンス」に南京事件について言及している。 ユネスコの世界記憶遺産に登録されてしまった「南京大虐殺」についての中国側の主張の骨格は、H・J・ティンパーリーの著作に基づいている。彼…

自分が嘘をついていることを、他人に知られても平気な人間もいるのだな。

yasugoro_2012氏のツィートで知ったことだが、根拠がないことを知りつつ、歴史修正主義的主張をする人間がいる。KAZUYAは20万人が安全区の人数だと分かっていて故意に「人口20万人の南京で、30万人殺したという。ファンタジー(空想)的だ」などと…

生まれる前の障害児の選別は、今生きている障害者への差別になるし、差別の結果でもある。

以下のような問題提起があったが、②の問いに私は「なる」と答える。そして、障害者への差別があるから、出生前診断による障害児の排除が推奨されるという、差別の結果でもある。「障害児の出産は減らすべき」への反応は ①出生前診断によって障碍胎児を堕胎し…

出生前診断で分かる障害なんて一部だ。〜長谷川智恵子氏の発言をめぐって

http://www.asahi.com/articles/ASHCL5QG1HCLUJHB00N.html 茨城県の教育委員長谷川智恵子氏の発言。県教育委員が障害児らが通う特別支援学校を視察した経験を話すなかで、「妊娠初期にもっと(障害の有無が)わかるようにできないのか。(教職員も)すごい人…

戦前の朝鮮が植民地でないと叫んでも、説得力ないよな。

下のツィートを読んで、考えたこと。司書講習のなかで、日本が朝鮮を植民地支配したことに言及したところ、受講生から、「植民地支配」でなく(対等の)「韓国併合」だと抗議を受けて、教員が謝罪させられた顛末が書かれている。教員としてはさらっと韓国の…

程瑞芳の日記は、「伝聞情報に依拠した記述ばかり」ではない。

南京事件関連の資料がユネスコ記憶遺産として登録されたことに対して、日本が意見書を提出したことについて。 http://mainichi.jp/shimen/news/20151106ddm001040141000c.html 意見書は明星大の高橋史朗教授が作成した。ユネスコ日本代表部の佐藤地(くに)…

従軍慰安婦問題否認論者との不毛な会話

拙ブログの記事 何を学べというのだろう - davsの日記 に下のような反応があった。「小説家になろう」の作品群でもなければ、何の産業もない千年前な状態の土地から、一瞬にして人身売買や強制労働を取り除くことなど出来ない。 「でも、日本のせい」という…

戦争はなかった!

南京事件は無かった、という主張は、いくつも見たが、日中戦争がなかったという主張ははじめて見た。戦争当時中国等と言う国は無い。アジアを侵略し植民地にしていたのは欧米で、日本はアジアの国の軍隊と戦った訳では無い。まして当時の毛沢東率いる八路軍…

何を学べというのだろう

大阪府教育委員会が従軍慰安婦問題についての補助教材を作成したとのこと。 「慰安婦」朝日誤報を明記 大阪府立高補助教材の全容判明、政府見解や戦後70年談話も(1/2ページ) - 産経WEST https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/news/detail.php?newsId=2015102…

【訂正あり】ああ、秦郁彦氏も、とうとう池田信夫氏の第2法則の犠牲に

お詫びと訂正コメントで秦郁彦氏は、『南京事件』の増補版で南京事件の犠牲者数は四万にが上限だと言っている旨の指摘があった。見落としていた増補版の方を確認したところ、以下のように秦氏は、増補の部分でかつての犠牲者数の推計を下方修正していた。 こ…

ユネスコ記憶遺産の「真正性」についての基準

「南京事件」の世界記憶遺産登録 日本政府がユネスコに抗議へ - ライブドアニュース 中国が申請した文書には、犠牲者の数を「30万人以上」と記した中国での裁判文書も含まれている。日本の外務省は「文書は完全性や真正性に問題があることは明らかだ」とし…

巨大組体操、ムカデ競走そして30人31脚

最近は話題になることが、少なくなった30人31脚を含めて、タイトルに挙げた3つは、団結、絆、一体感などの美辞麗句で飾られるのだが、以下のような共通する問題点があるだろう。 1 競技の成果が、最も遅い(弱い)メンバーによって決まる。 いくら足が速か…

アホなのか、ウソつきなのか

【編集日誌】「南京事件」検証します - 産経ニュース「毛沢東は南京事件に言及しなかった」という、とうの昔に否定された、手垢まみれというのも恥ずかしいような南京事件否定論を今更見るとは。アポロ計画陰謀論で例えるとと、「真空のはずの月面で、星条旗…

他人の権利を制限するために第三者の権利を擁護する、あるいは擁護するふりをする人〜補助犬の入店拒否事件

http://mainichi.jp/select/news/20151009k0000e040232000c.html 梅田の阪急百貨店の飲食店が補助犬の入店拒否…啓発イベント直後になぜ? - ライブドアニュース補助犬の啓発イベントを開いた百貨店にある店舗に、補助犬の入店を断られたらそれは衝撃的だろう…

ネット右翼の論法を日本にあてはめたら

「〜であるはずなのにそうでないから虚偽」論法はネット右翼が好む典型的なものの一つです。「強制連行されたのなら/虐殺されたのなら戦後日本人への暴動が起きるはず」「戦況が悪化しているのに呑気に兵が日記を残すはずがない」というように。http://t.co…

落ちつけ、落ち着いて計算するんだ〜日本兵はスーパーマン理論

NNNドキュメントにさそわれて、あらわれた歴史修正主義者の中でも、最もトンデモないことを言っているのが下の例。てか、南京大虐殺なんてなかったって何度言わせれば・・・ これは元中国人の石平さんも言ってるから間違いないし、殺害数を計算すると1人の…

お仲間になりたくないぜ

http://www.asahi.com/articles/ASHB263MVHB2UTFK00K.html?iref=comtop_rnavi_arank_nr05 「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている」って、勝手に他人を歴史修正主義者の仲間に入れないで欲しい。 だいたい、慰安婦の存在自体…

手垢のついた、あまりにも手垢のついた〜百田尚樹氏の南京事件否定論

前回に引き続き、『大放言』に書かれた百田尚樹氏の南京事件否定論について書く。 百田氏の南京事件否定論の根拠は、おおむね下記のとおりだ。百田尚樹氏は1937年12月の南京攻略戦前後における日本軍による非戦闘員や捕虜の殺害、強姦、略奪等の行為はなかっ…

間違ったことを大声で言えば批判されるのは当たり前〜百田尚樹『大放言』

大放言 (新潮新書)作者: 百田尚樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/08/12メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見る新潮新書『大放言』(百田尚樹)のカバーには下のような紹介文が書いてある。 思ったことや軽いジョークを口にしただけで、クレ…

冷たいだけでなく、頭が悪い文だと思う〜曽野綾子氏のエッセイ

2015年に岩手県で中学生がいじめを苦にしたと思われる自殺をしたことを受けて曽野綾子氏が、「週刊ポスト」9月18日号にいじめについてのエッセイを載せているが、ひどいとしかいいようのないものだ。アパルトヘイト問題の時もそうであったが、曽野綾子氏のエ…

謝りたくなければ、それはそれでいいけれど

いまさらながら「戦後70年の安倍首相談話」について。 最も引っかかったのが、下の部分だった。 日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪…

知っていてもどうしようもない。

私も妻もいわゆるアラフォー(五入の方)で、結婚し、アラフォー(四捨の方)で子どもを設けた。互いに子どもは欲しかったが、それが遅れたのは、「子どもなんていつでも作ることができる」ど考えていたわけではなく、なかなか結婚相手が見つからなかったた…

靖国神社への名誉毀損? それとも代弁? 「靖国神社職員有志の主張」

下の地下猫氏のツィートで知った「靖国神社職員有志の主張」について。個人的に注目は5。自分たちの信教の自由のためには遺族の信教の自由を侵害すると宣言しているわけで、カルト宣言といえよう。これを靖国が公的に否定しないのなら靖国はカルト。カルト宗…

「中国」と「支那」〜中国の呼称問題と言葉の汚染

他国では中国をシナと呼ぶらしい – 長崎県立大村高校卒業生同窓会 上記は、日本以外の国では中国を「秦」にちなむ言葉で呼んでいるのだから、日本だって中国のことを「支那」と呼んで何が悪い、という主旨の記事だ。 まず、各言語で中国をあらわす単語を列挙…