2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

記述の誤りは、筆者の責任です。〜『永遠の0』の主要参考文献

『永遠の0』について、百田尚樹氏がこんなことを言っていた。『永遠の0』はつくづく可哀想な作品と思う。文学好きからはラノベとバカにされ、軍事オタクからはパクリと言われ、右翼からは軍の上層部批判を怒られ、左翼からは戦争賛美と非難され、宮崎駿監…

『永遠の0』が描くミッドウェー海戦は不思議な事だらけ

前回に引き続き、『永遠の0』(百田尚樹)について。 宮部久蔵の孫は、元海軍中尉の伊藤寛次から、珊瑚海海戦とミッドウェー海戦について話を聞くのだが、「地元の商工会のかなりの大物」でもある伊藤は、年月が経過したせいか、おかしなことを言ってしまう…

老人の思い出話は全て正しいとは限らない〜『永遠の0』

百田尚樹氏の『永遠の0』が映画に引き続き、テレビドラマ化されるそうな。原作については、立ち読みでも、特攻への賛美や、戦後社会への嫌悪が目立っていたのと、作者の言動に好感が持てずに身銭を切っての購入をためらっていたのだが、この度、本を入手し…

リカンベント・トライクに乗って

以前リカンベント・トライクについて記事を書いた。 乗ってみての感想を書きたい。 まず長所だが、以前も書いたことだが、安定性は魅力的だ。 信号待ちの時に、ペダルに両足をのせたままでいられるし、徒歩より遅い速度で走る(?)こともできる。不案内な場…

今年初めの池田信夫氏

拙ブログで今年はじめて、池田信夫氏について書く。取り上げるのは以下の記事だ。 池田信夫 blog : 慰安婦疑惑を国会で解明せよ 朝日新聞の渡辺社長はきのう記者会見し、「信頼回復と再生のための行動計画」なるものを発表した。予想どおり無内容で、論評に…

物価の劣等生

http://hosyusokuhou.jp/archives/39276931.html 自民党の政治家の意見にもかかわらず、と言うべきか、下村文科相の大学無償化構想について保守速報ではバッシング一色である。こうした意見を書く人々は、よほど経済的に恵まれ、学費の心配をしたことがない…

『エトロフ発緊急電』

以前紹介した『ネプチューンの迷宮』の作者、佐々木譲による「太平洋戦争三部作」のひとつ。真珠湾攻撃を巡る日米の諜報戦を描いた本作は、『エトロフ遥かなり』というタイトルで1993年、NHKがドラマ化した。ドラマでは原作通り、登場人物のひとりの背景…

和暦が使いにくい理由とその改善方法

西暦と和暦を使いやすさで比較すると、西暦に軍配があがるだろう。 和暦が使いにくい理由とその改良方法について書きたい。ただし、改良方法については私のオリジナルではなく、昔、大学の講義で雑談として聞いたアイデアの紹介である。 和暦の使いにくさは…

障害者用自転車としてのリカンベント・トライク

片脚のマヒのせいで、通常の自転車では、バランスをとることができないので、リカンベント・トライクに乗っている。 リカンベント・トライクと言っても、なんだ、それは食べられるのか、と言われそうなので、画像が載ったページを紹介する。 HPVelotchnik Ge…

それほど書きたかったのだろうか?

http://agora-web.jp/archives/1627381.html記事はタイトル通り、フランスの風刺専門の週刊紙「シャルリ・エブド」での銃撃事件についてのものだが、筆者の石井孝明氏はどうしても下のようなことが書きたかったらしい。しかし、下の一節はなくても論旨に影響…

このエッセイが今年最悪・最低のものであることを祈る〜曽野綾子氏の新年特別提言

野暮を承知で書くと、タイトルは、これ以上ひどい文章が世に出回らないことを祈る気持ちを込めたものである。 曽野綾子氏が『「戦争の悲惨」より「戦時の英智」を伝えよ』という題したエッセイを新年特別提言として、1月23日号の「週刊ポスト」に載せてい…

サンタクロースの教育的効果が分からない

今日はひとつ季節外れの話題を。 サンタクロースはいつまで信じる?「真相」に気づくのは6歳以降 - IRORIO(イロリオ) 私は上記記事では2%のカテゴリーの子どもだった。 私の両親は、最初からサンタクロースはいない、ということを私に言い聞かせていた。…

別に「有り難い」わけではない〜サムスイング・グレイトあるいは空飛ぶスパゲッティ・モンスター

【日本人の座標軸(25)】ヒトのDNA情報量は百科事典千冊分…「有り難い」の本当の意味を忘れるな(1/2ページ) - 産経WEST このように非論理的な文章を高校の校長だった人間が書くことも、新聞がチェックやアドバイスもなしに(としか思えない)にコラ…

『ネプチューンの迷宮』

架空の国ポーレア共和国を舞台にした冒険小説だ。 ポーレア共和国のモデルになったのは、太平洋のナウル。 ナウルでは、唯一の産業であるリン鉱石採掘業が衰退したため、財政と経済が破綻した。小説の中のポーレア共和国でも、唯一の輸出品であるリン鉱石の…

経済的強制はないらしい。

年末に以下の2冊を読んだ。 『まっとうな経済学』(ティム・ハーフォード) 『大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』(タイラー・コーエン) 二冊ともに、新自由主義的な世界観が出ていた。前者は、発展途上国の労働条件の劣悪な搾取工場への反対…