右翼本ウオッチ

大量殺戮には必ず、アウシュヴィッツ並の施設が必要などということはない〜『再審「南京大虐殺」』のおかしな論理

下のいかにもな雑誌を立ち読みしていたら、アウシュヴィッツを引きあいに出した南京事件否定論にあたった。日中韓政治経済戦争2016~ニッポンが勝利する100の理由 (英和MOOK)出版社/メーカー: 英和出版社発売日: 2016/08/04メディア: ムックこの商品を含むブ…

せめて歴史修正主義者の方々で意見を統一してほしい。〜『別冊正論26「南京」斬り』

「南京」斬り 「大虐殺」は蔣介石と中共の?国共合作?―ウソと実像を見極める― (別冊正論26)作者: 産経新聞社別冊正論編集部出版社/メーカー: 日本工業新聞社発売日: 2016/03/22メディア: ムックこの商品を含むブログ (1件) を見る『別冊正論26「南京」斬り…

コミンテルン最強伝説〜『真実の朝鮮史【1868-2014】』

今回、取り上げるのは、『真実の朝鮮史【1868-2014】』(宮脇 淳子・倉山 満著)だ。倉山満氏については、その著作を以下の記事で取り上げた。 『帝国憲法の真実』〜人生において何の役にも立たないことだけは約束します。 - davsの日記 『帝国憲法の真実』そ…

手垢のついた、あまりにも手垢のついた〜百田尚樹氏の南京事件否定論

前回に引き続き、『大放言』に書かれた百田尚樹氏の南京事件否定論について書く。 百田氏の南京事件否定論の根拠は、おおむね下記のとおりだ。百田尚樹氏は1937年12月の南京攻略戦前後における日本軍による非戦闘員や捕虜の殺害、強姦、略奪等の行為はなかっ…

間違ったことを大声で言えば批判されるのは当たり前〜百田尚樹『大放言』

大放言 (新潮新書)作者: 百田尚樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/08/12メディア: 新書この商品を含むブログ (10件) を見る新潮新書『大放言』(百田尚樹)のカバーには下のような紹介文が書いてある。 思ったことや軽いジョークを口にしただけで、クレ…

『永遠の0』のごまかし

百田尚樹氏の『永遠の0』について4回にわたって主に考証面について記事にした。『永遠の0』に資料のひきうつし、とか、パクリとか批判があるのだが、むしろそれらの批判に値する段階まで至っていないのだ。今まで書いてきたこと以外にも、文庫版189ページ…

落下傘を撃つというのはどうなの〜もう4回目になったよ 『永遠の0』についての記事

『永遠の0』の映画版で、原作からカットされたエビソードとして、脱出中の米パイロットの落下傘を主人公宮部が、撃つというものがある。主人公のこんな反倫理的行為は、おそらくドラマ版でも描写されないと思うが、小説の中では、宮部は戦争はきれい事では…

記述の誤りは、筆者の責任です。〜『永遠の0』の主要参考文献

『永遠の0』について、百田尚樹氏がこんなことを言っていた。『永遠の0』はつくづく可哀想な作品と思う。文学好きからはラノベとバカにされ、軍事オタクからはパクリと言われ、右翼からは軍の上層部批判を怒られ、左翼からは戦争賛美と非難され、宮崎駿監…

『永遠の0』が描くミッドウェー海戦は不思議な事だらけ

前回に引き続き、『永遠の0』(百田尚樹)について。 宮部久蔵の孫は、元海軍中尉の伊藤寛次から、珊瑚海海戦とミッドウェー海戦について話を聞くのだが、「地元の商工会のかなりの大物」でもある伊藤は、年月が経過したせいか、おかしなことを言ってしまう…

老人の思い出話は全て正しいとは限らない〜『永遠の0』

百田尚樹氏の『永遠の0』が映画に引き続き、テレビドラマ化されるそうな。原作については、立ち読みでも、特攻への賛美や、戦後社会への嫌悪が目立っていたのと、作者の言動に好感が持てずに身銭を切っての購入をためらっていたのだが、この度、本を入手し…

『ひと目でわかる「慰安婦問題」の真実』

ひと目でわかる「慰安婦問題」の真実作者: 水間政憲出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2014/11/14メディア: Kindle版この商品を含むブログ (4件) を見るこの本が、書店にないのは、「在日」や「反日日本人」の陰謀のせいらしい。 緊急拡散希望《『ひと目で…

『帝国憲法の真実』その2

前回にひきつづき、『帝国憲法の真実』について。前回の記事に当たって、つっこみどころに付箋をつけながら読んでいったら、付箋だらけになってしまったので、問題のないページに付箋をはることにした。倉山氏は、帝国憲法を愛し、日本国憲法を憎む。 その理…

『帝国憲法の真実』〜人生において何の役にも立たないことだけは約束します。

帝国憲法の真実 (扶桑社新書)作者: 倉山満出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2014/05/01メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る本記事のタイトルにつけた副題だが、我ながらひどいことを書いている、と思う。しかし、この表現は、今回紹介する『帝国…

特攻の戦果は圧倒的か? 『永遠の0』と日本人

『永遠の0』と日本人 (幻冬舎新書)作者: 小川榮太郎出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2013/12/12メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る『永遠の0』、『終戦のエンペラー』や宮崎駿アニメを題材に筆者の心情をつづったエッセイ。Amazonのレビュー…

期待したのにがっかりだよ。『改正・日本国憲法』

自由民主党政務調査会で新憲法草案の作成にあたってきた人物の著作。改正・日本国憲法 (講談社+α新書)作者: 田村重信出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/21メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見る自民党憲法草案が出てから、それに対する批判…