社会

お仲間になりたくないぜ

http://www.asahi.com/articles/ASHB263MVHB2UTFK00K.html?iref=comtop_rnavi_arank_nr05 「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている」って、勝手に他人を歴史修正主義者の仲間に入れないで欲しい。 だいたい、慰安婦の存在自体…

手垢のついた、あまりにも手垢のついた〜百田尚樹氏の南京事件否定論

前回に引き続き、『大放言』に書かれた百田尚樹氏の南京事件否定論について書く。 百田氏の南京事件否定論の根拠は、おおむね下記のとおりだ。百田尚樹氏は1937年12月の南京攻略戦前後における日本軍による非戦闘員や捕虜の殺害、強姦、略奪等の行為はなかっ…

冷たいだけでなく、頭が悪い文だと思う〜曽野綾子氏のエッセイ

2015年に岩手県で中学生がいじめを苦にしたと思われる自殺をしたことを受けて曽野綾子氏が、「週刊ポスト」9月18日号にいじめについてのエッセイを載せているが、ひどいとしかいいようのないものだ。アパルトヘイト問題の時もそうであったが、曽野綾子氏のエ…

謝りたくなければ、それはそれでいいけれど

いまさらながら「戦後70年の安倍首相談話」について。 最も引っかかったのが、下の部分だった。 日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪…

知っていてもどうしようもない。

私も妻もいわゆるアラフォー(五入の方)で、結婚し、アラフォー(四捨の方)で子どもを設けた。互いに子どもは欲しかったが、それが遅れたのは、「子どもなんていつでも作ることができる」ど考えていたわけではなく、なかなか結婚相手が見つからなかったた…

靖国神社への名誉毀損? それとも代弁? 「靖国神社職員有志の主張」

下の地下猫氏のツィートで知った「靖国神社職員有志の主張」について。個人的に注目は5。自分たちの信教の自由のためには遺族の信教の自由を侵害すると宣言しているわけで、カルト宣言といえよう。これを靖国が公的に否定しないのなら靖国はカルト。カルト宗…

「中国」と「支那」〜中国の呼称問題と言葉の汚染

他国では中国をシナと呼ぶらしい – 長崎県立大村高校卒業生同窓会 上記は、日本以外の国では中国を「秦」にちなむ言葉で呼んでいるのだから、日本だって中国のことを「支那」と呼んで何が悪い、という主旨の記事だ。 まず、各言語で中国をあらわす単語を列挙…

軍隊にもいろいろなお仕事があるわけで

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150807-00079722-toyo-bus_all&p=2 死にたくないという生物としての根元的欲求を否定して、「炎上」した自民党の武藤貴也議員。徴兵制について、例のテンプレート的否定論を述べている。 武藤 軍事も専門的にな…

デモに参加したら「人生詰む」というけれど

http://www.asahi.com/articles/ASH7W5SYRH7WUTIL03M.html http://www.huffingtonpost.jp/2015/07/29/demo-young-people_n_7899638.html 「人生詰む」なんて言い方を初めて知った。自分も小父さんだな、と思うが、あまり使いたくない語感の言葉だ。 忠告とい…

徴兵制はデマです、という記事がデマになっている件

以前紹介した「長崎県立大村高等学校卒業生同窓会」のサイトに徴兵制はデマだという記事が載っていた。タイトルだけではよく分からないが、内容を読む限りは、徴兵制が導入されてもたいしたことにはならないと言いたいようだ。 【在校生向け】民主党が煽(あ…

自分の意思で選択した属性であれば、差別してもよい、ということはない。

ジョンお姉さんの『元採用担当者は語る』 - Togetter 上の記事に載っていた以下のコメントについて。 「採用時に差別してはならない」というのは基本的に自分の意思とは無関係に持ったもの(例えば、性別とか障がいとか)で差別してはいけない、という話なので…

日本が戦前から一貫して人権を重んじていたなんて悪い冗談でしょう。

この記事に書かれた慰安婦問題をめぐる自民党提言について 慰安婦問題をめぐる自民党提言 最終案の要旨(1/2ページ) - 産経ニュース 戦前から一貫して人権を重んじ、平和を尊ぶ国として歩んできた。戦後は法の支配の実現を目指し、開発途上国の法整備などに…

【在校生向け】こんな大人にならないこと〜若い者を抑えられない、という脅しと同じだな。

【在校生向け】高校、大学では、デモや政治集会には参加しないこと、署名しないこと 1 – 長崎県立大村高校卒業生同窓会 上の記事のようにAという行動をおさえるために、そんなことをするとBという悪いことが起きるぞ、と脅かす人間は多い。こうした発言は…

徴兵制では現代戦を戦えないのなら、イスラエル国防軍は現代戦を戦えないはずだ。

以前の記事でふれたような「徴兵制はあり得ない論」は大体下のような三段論法になっている。 徴兵制で集められた兵士で編成された軍隊は、現代戦では戦えない。 日本の政府が、自衛隊をあるいは将来の新日本軍を、そのような時代遅れのものにすることはない…

ILOの強制労働条約は、戦時においては適用除外だったのか。

yasugoro_2012氏の下記のエントリーを読んで「強制労働ニ関スル条約」(第29号)第2条第2項(d)は、戦時における全ての労務が条約の適用除外対象になるのか疑問だったので調べてみた。 ILOの強制労働条約における戦時徴用の除外規定について感じたこと。…

あなたからお金を奪わないのは、合理的必要性がないからです。

前回に引き続き、産経新聞のオピニオンサイト「iRONNA」にのった文から 「徴兵制」と憲法解釈の関係 恐怖感あおる陰謀論には要注意 現代戦は、専門的技能をもった兵士が必要だ。徴兵制は合理的でない。したがって徴兵制度が導入されることはない。もはや、テ…

だったら、安全保障関連法案なんていらないんじゃないか。

皆川豪志産経新聞出版代表取締役社長の書いた下の文について。 「朝ドラ歴史観」からの脱却を 要するに国土が焦土と化すような戦争はもはやない、兵士として使い物にならない現代の日本の若者を徴兵するなんてありえない、と言っている。 今回の法案が決して…

そんなことは橋下市長に言ってくれ

http://www.asahi.com/articles/ASH6V728TH6VPTIL02K.html 松井一郎・大阪府知事(維新の党顧問)は26日、自民党議員の勉強会での百田尚樹氏の発言をめぐり「(メディアに)『圧力をかけよ』と言ったのは自民党。自民党をたたくのはいいが、講師として行っ…

どこであってもそんなことを言っては駄目なんだって

自民党の勉強会での発言について、百田尚樹氏が弁明している。 百田尚樹氏、福岡講演の詳報 「飲み屋でしゃべっているようなもの」「スポンサーに圧力かけるのはだめ」(2/3ページ) - 産経ニュース テレビとかラジオで不特定多数の人に向けて言うたら、軽口…

嘘つきは事実でないことを語るが、事実でないことを語る者が嘘つきであるとはかぎらない。

かつてテレビドラマ版『永遠の0』を妻と観ていたとき、彼女が言った。「あの二人乗りの零戦は、どうして自爆するの」。もちろん、それは、爆撃機であって、彼女にとって太平洋戦争中の日本軍の航空機は全て「零戦」なのであった。このエピソードを思い出し…

旧日本軍内のイジメについての歴史修正主義論が出るかも知れない。

下のツィートに触発されて考えたこと。うちはわりと軍人一家だったので結構いい身分で戦争に行ったのと、戦局が悪化する前に大体帰ってきたので、戦争の悲惨さエピソードとは親戚やじいちゃんあたりから聞かなかったんだけど、それでも戦争は絶対無理、と生…

海外旅行にもうかうか行けないな

【宮嶋茂樹の直球&曲球】まるで「内ゲバ」残虐事件… 法令守り「日本国」に敬意払うんならええけどな…(1/2ページ) - 産経ニュースいろいろ言いたいことがあるが、まずここから 日本はいつの間に上海並みの治安の悪さに陥ったんや。日本は世界でも例をみな…

親日国の条件〜台湾の慰安婦記念施設建設

下の記事について。 【台湾慰安婦記念館】菅官房長官「当然わが国の立場と相容れない」 - 産経ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150604-00000065-mai-cn まず1について、「わが国の立場」というのは、一体何なのだろう? 人身売買や奴隷的労働…

これも感動ポルノの一種だな

障害者などのマイノリティを「あんなに不幸でも頑張っているんだ」という感動の材料として消費する悪弊に「感動ポルノ」という的確な名称がついていることを、最近知ったのだが、下もその感動ポルノの一種だろう。差別との正しい戦い方。アメリカ人でありな…

それじゃバラも駄目なのだろう〜ニホンザルの赤ちゃんの命名

失笑してしまった記事。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150506-00000119-sph-soci だが、サルの命名発表後、園には「もしロンドンの動物園のサルに、日本の皇族のお名前が付いたら、どんな気持ちになるか考えてみろ」「英国に失礼だ。撤回してほしい…

神話教育の弊害

2015年2月、愛知県一宮市の市立中学の男性校長が、学校の(個人のじゃないよ)ホームページ上のブログに、神話に基づく日本建国の由来を書いた問題にからめて、産経新聞は、神話を教育せよ、という意見を載せている。 神話や建国記述「間違ってない」「感動…

俺はお前を信頼しないぞ、という奴が信頼されるのだろうか。

既に各方面で話題になっている元小結の舞の海秀平氏の珍説。残念ながらエイプリルフールの記事ではないのだ。 【憲法記念日】舞の海氏が新説「日本人力士の“甘さ”は前文に起因する」「反省しすぎて土俵際…」(1/2ページ) - 産経ニュース もはや、特定の国や…

「どこの国の政治家なんでしょうか?」ってアメリカ合衆国の政治家でしょうが〜産経新聞のツィッター

こんなアホなことを言うのは、どこの暇人かと思って見てみると、我が国が誇る五大紙のひとつ産経新聞ではありませんか。この人も、どこの国の政治家なんでしょうか? マイク・ホンダ米議員「安倍首相は謝罪し、慰安婦問題や侵略責任を受け入れよ」 産経単独…

渡部昇一氏のさかうらみ〜「神聖な義務」事件

渡部昇一氏は1980年に障害者は社会に莫大な負担をかけるから、その出現を未然に防ぐことは、神聖な義務である、という主旨のエッセイを書いて、当事者から批判を受けた。当時、渡部氏は『週刊文春』に「古語俗解」というエッセイを連載していたが、そこに作…

曽野綾子氏たちの基準では、個人が自由意思でする差別はしょうがないらしい。

前回記事では、曽野綾子氏たちが、産経新聞コラムの「炎上」事件の火元を朝日新聞だと誤断していると書いた。『歴史通』2015年5月号の「私たちを「炎上」させようとした「朝日」」を読むと、曽野氏も渡部氏も、あのコラムの内容は全く問題がなかったと考え…