大阪市公募区長の論文あるいは作文を読んでみた part1

大阪市の公募区長合格者の応募論文が、大阪市のサイト上で公表されている。

何だか、論文というより、カタカナ語をちりばめた作文といった印象で、こんなので就職できるのか、とあきれてしまった。民間企業出身の公募区長のみなさん、あなたがたの会社では、就職活動生がこの程度のエントリーシートを提出してきても、大丈夫なんでしょうね。さすがに現職区長の論文は、手堅くまとまっているが、それ以外では、楽しんで読めた。いや、笑うしかない。
山田 悠介 の『リアル鬼ごっこ』を読んでみた時のあの脱力感を思い出した。
「大阪市区長公募の最終合格者が決定しました」(http://www.city.osaka.lg.jp/jinji/page/0000173653.html)

まず、今回は浪速区長の玉置 賢司氏の論文を紹介する。

ところが、現在東京都の市場規模は感覚的には50分の1に感じられるレベルになり下がっている。
50分の1って、何と比較して? 日本語の構文から素直に解釈すれば、東京都の市場規模がかつてより縮小したということだろう。しかし、大阪の経済が東京と比べて衰えたと言いたいのかも知れない。そもそも、市場規模を何で測定したんだろう。
旅行者の関空到着者を夜中でも受け入られるの体制
関空に到着した旅行者を夜中でも受け入れる体制」と添削したくなる。
ミナミの夜に観光客のみならず集客することができるようになるのである。
観光客のみならず、とあるけれど、観光客以外の何を集客するのか、書いていない。ビジネス客だろうか。もしかして、のみならずの使い方が分からなかったとか。
電車の移動の終着駅は南海電鉄難波駅JR難波駅であり、(後略)
南海電鉄はともかく、JRの関空快速も特急のはるかも、JR難波駅には行かないぞ。JR難波駅に行くのは、大和路線だ。新しい列車ができたのか。
通天閣(含むフェスティバルゲートジャンジャン横丁
ワハハッ、笑わせてもらいました。フェスティバルゲートは取り壊されています。再建築するんですか。
準備期間が短く、自分自身が浪速区の区政について精通しているわけでは無いので大阪市のHPの浪速区の「平成23年度浪速区運営方針」を参考に述べる。
こんないい訳を書いてしまっていいんですか。面接の時にこんなことを言ったら、面接官に「それなら別の会社でいったらどうですか」と言われるぞ。さらに、この文を添削するなら「大阪市のHPに掲載された「平成23年度浪速区運営方針」を参考に述べる。」だろう。「浪速区」はふたつもいらない。
日本の流通は大手量販店の発展に伴い、全国どのスーパーでも全国の野菜や肉や魚が食べられるようになった。
 その結果、誰かが暴利を貪っているわけではないのに全国運賃を乗っけた市場価格がスタンダードになってしまった。
いや、地元の野菜、肉や魚しか食べることができないことよりいいことだと思うが。
野菜もそれに準じて高く、地域に新鮮で安い地元の野菜があるのに、全国的な規格の農水省が推奨する野菜が、流通費も乗せられて家庭に入るのである。
そんなに安くて新鮮な野菜が近くにあるのなら、スーパーが仕入れて売りそうなものだが、需要をみたす供給がないんじゃないか。それから、「全国的な規格の」を野菜の直前にもっていった方がいいぞ。

皆が安心して集まってこれる治安の良さを駆逐することである。
ギャハハッ。治安の良さを駆逐してはだめでしょう。駆逐するなら、治安の悪さだ。「部外者以外立入り禁止」みたいな間違いだな。
窓口サービス課の書類発行業務に限って言えば夜は22時までの受付とし、土曜日も一部窓口については行政サービスを行うこととする。
大阪市サービスカウンターで、平日は、9時から19時、土曜、日曜、祝日は10時から19時の間で、住民票の発行をしているのだが、ご存じないのだろうか。まあ、22時までではないけれど、役所の手続きにそんな遅くに行かなければいけない働かせ方をどうにかしましょうよ。

いろいろ書いてきたが、最大の謎はこれである。
この論文が、浪速区長に応募した人の中で一番よかったのだろうか。

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