汝、エレベータを2台呼ぶことなかれ

ビルに少なくとも1台は障害者対応のエレベータが設置されるようになってきた。複数のエレベータが設置されており、そのうち1台が、障害者対応のエレベータ(以下、「障害者用エレベータ」という)であるとき、障害者対応でないエレベータ(以下、「通常エレベータ」という)の呼び出しボタンとは別に、独立した障害者エレベータ用呼び出しボタンがある。車いす使用者にも押すことができるように、低い位置に設置されているはずだ。呼び出しの仕組みは下の表のようになっている。*1

呼び出しボタン呼び出されるエレベータ
障害者用エレベータ用呼び出しボタン障害者用エレベータのみ
通常エレベータ用呼び出しボタン障害者エレベータまたは通常エレベータ

通常エレベータを使う者は、障害者用エレベータが来ても、問題はないけれども、障害者用エレベータが必要な者に通常エレベータが来たら困る。だから、上の表のような仕組みになっているのは、合理的だ。

ところが、エレベータを呼ぶとき、通常エレベータの呼び出しボタンと障害者用エレベータの呼び出しボタン、両方を押す人間が少なからずいるのである。そうすると,どうなるか。
この呼び出しに応じて、障害者用エレベータの方が先にやってくれば、問題はそれほどでもない。障害者用エレベータの方が先にやってくれば、通常エレベータの呼び出しがキャンセルされるようである。
問題は、通常エレベータが先に来た場合だ。*2この時は、通常エレベータではなく、障害者用エレベータを利用したい人が、その階にいるということで、障害者用エレベータの呼び出しは続行される。つまり、誰もいない階で、障害者用エレベータが停止してしまう。乗っている人がいたら、
「誰もいないのに、何でとまるんだろう」
となるだろう。
あるいは、誰も待っていない階に向かって、障害者用エレベータが運転され、電力が無駄になるか。

通常エレベータの呼び出しボタンと障害者用エレベータの呼び出しボタン、両方を押しても、はやくエレベータが来るわけでないし、そうした行為は、エレベータの運行を攪乱するだけだろう。エレベータはいくら待つといっても、せいぜい2,3分だろう。それを待てないのだろうか、と思いっちまうんである。

この問題を解決するには、全部のエレベータを障害者用エレベータに換えるという方法があるが、難しいだろうか。

*1:エレベータの台数が少ない場合、障害者エレベータと通常エレベータの呼び出しボタンは完全に独立しているというケースもある。

*2:障害者用エレベータの方が数が少なく、扉の開閉もゆっくりしていることもあって、このケースの方が多い。