日本人と日本出身者

2013年の大相撲夏場所は、白鵬の全勝優勝で終わった。

稀勢の里が善戦していたが、このことについて、「ひさしぶりに日本出身力士の優勝か」と何度も記事になっていた。「ほらほら、われわれの身内が優勝するかもしれませんよ」と言いたかったようだ。意地悪い言い方をすれば、日本人力士と言い方をしたかったんだな、と思ってしまった。もちろん、日本人として最後に優勝した力士は旭天鵬(2012年5月場所)であり、それほど昔のことではない。わざわざ、「日本出身力士」という言葉を持ち出して、日本国籍を取得した人間を無視したわけだ。どうやら、日本国籍を持っていても、別な扱いをされるらしい。

それでは、日本で生まれて、日本で育った日本出身者なら、日本のメンバーとして扱われるか、というとそれも怪しい。例えば、在日韓国・朝鮮人の多くは日本出身者であるが、それでもヘイトスピーチにさらされていることを考えれば、日本のマジョリティに日本のメンバーとして認定されるのはなかなか難しそうだ。