ギブ・ミー・チョコレート

「ギブ・ミー・チョコレート」が職場で話題となった。一定の年代より下の人間のかなりの割合がこの言葉を知らないことがわかって驚いた。もちろん、英語の意味がわからないのではなく、終戦直後に占領軍の将兵に日本の子どもが、チョコレートなどをねだった、という話を知っているかということなのだが、これって年代によって差のある知識なのか。
私などは、子ども時代に周囲の大人から聞いて知っていたのだが。

当時の新聞に報じられていたのか、と調べてみたら、1945年9月29日(降伏文書に調印した同じ月)の毎日新聞大阪版に、子どもたちが米兵にチョコレートやチューインガムをせがむことに苦言を呈する記事が出ていた。「恥ぢよ袖乞食同然の土産賣り」なんてあんまりな見出しだが、米兵相手に古い長じゅばんや藁草履を売りつける人たちの話とあわせた記事になっているからである。

これは米兵が気の毒だと思ってしまったのがこれ。(旧仮名づかい、旧字はあらためた)

子供好きの兵士が子供を相手に會話帳をたよりに日本語を覚えようと一生懸命になっていると(中略)「「馬鹿」とか「間抜け」とか卑俗な言葉を教えては彼等がそれを発音すると喜んでいる。親や学校の先生にぜひ気をつけて欲しいことだ。
何でも親や学校の先生におしつけるのはどうかと思うぞ。昔はたくさんいたという、子供をしかってくれる近所のおじさんとかはどうなったんだろう。