理不尽に耐えるより

前回、理不尽に耐えるより、理不尽を無くすことにこそ注力すべきだ、ということを書いた。
理不尽を無くすために単純かつ効果的なのは、理不尽を強いる側が、理不尽を要求しないことに対する耐性を身に着けることだ。
先日読んだ『「現代型うつ」はサボりなのか 』(平凡社新書)に理不尽の例が書かれていた。

練習場のすぐ近くにファミリーマートがあり、練習場から二キロメートルくらい離れたところにセブンイレブンがあったのですが、なぜか先輩は「セブンイレブンのシールが貼ってあるコーラが飲みたい」というのです。一度先輩に理由を尋ねたことがありますが、先輩は「セブンイレブンのシールが貼ってあるほうがうまいからだ」といいます。

こうしてセブンイレブンまでコーラを買いに行かされるわけだが、急いで帰ってくると、よく振られたコーラが噴出して怒られる。それを避けるためにゆっくり歩いて戻ってくれば「遅い」と怒鳴られる。
この一節を読んで、こんな人間がいる部活に入らなくてよかった自分の幸運を感謝しました。そして、これからもこんな人間と付き合わずに済むことを祈りました。
この先輩は、おいしいコーラを飲みたくて、後輩を遠いコンビニエンスストアに行かせたわけではない。権力を行使したい、他人を苦しめたい、という欲求から、このような理不尽なことをしているのだろう。
こんな幼児性が、厳しい部活でも矯正されなかったのは驚くべきことである。(いや、助長されたのか)

ともあれ、こんなつまらない欲求を我慢することがそれほど難しいことだとは思えない。
また、自分が理不尽の発生源になっていないか自省することも大事だろう。