中立であることはそもそも自慢になるの?

先日記事にした『改正・日本国憲法』は、Amazonでは、「日本初の、「左からではない」「ど真ん中を行く」憲法解説書。」と紹介されていた。あの内容を「ど真ん中を行く」と書く勇気には恐れ入るが、さらに不思議なのは、右派や左派でなく、真ん中でであることが自慢になる、と考えていることだ。

政治的に真ん中。政治的に中立と言い換えてもいいが、そのような立場が現実に存在するか、疑問だ。日本全国の郵便ポストから等距離にある地点を追求するようなものかもしれない。

もちろん、自分の政治的考えはおいて、様々な政治的立場の人間に公正に接するという意味で、政治的に中立な態度というものはあり得るし、それが大事であることも多い。左派の団体に会場を貸さないとか、右派の考えの答案を書いた学生を不合格にするとか、これらは政治的に中立でないと批判を受けるだろう。

むしろ、自分の考えが中立だと思い込んでいることで、他の人間の考えが偏っていると判断してしまい、政治的に中立でない態度をとってしまう恐れがある。