少なくとも『SAPIO』は朝日新聞に「今ごろになって誤報を認めやがって」と言ってはいけない。

 朝日新聞従軍慰安婦特集記事から、3ヶ月近くたつが、今まで吉田証言という嘘を世界に流し続けやがってと朝日叩きをする雑誌等が絶えない。
 ところが、吉田証言の記事は、朝日新聞にそれほど載っていない。
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また、1997年に朝日新聞は「(吉田証言の)真偽は確認できない」と記事を載せている。これについて、以下の記事を見つけた。

 ところが、朝日はこの問題について、ずっと頬かむりをしていた。そして、今年の3月31日になって、とうとうごまかし切れなくなり、次のように書いた。
「間もなく、この証言を疑問視する声が上がった。済州島の人たちからも、氏の著述を裏付ける証言は出ておらず、真偽は確認できない」(朝日新聞97年3月31日付朝刊)
「証言が出ない」のならそれは「偽」であることが「確認できた」のである。
 この3月31日付の紙面は「従軍慰安婦は存在した」という大特集である。あまり量が膨大なので詳しくは図書館等で読んで頂くのが一番いいが、まず指摘したいのは「強制連行」がなくても「強制性」があれば同じことだ、と問題をすりかえている点だ。

 これは今年の夏以降に書かれたものではない。『SAPIO』の1997年5月14日号に作家の井沢元彦氏が書いた記事だ。(『日本人が知っておくべき「慰安婦」の真実』(2013年)所収)少なくとも『SAPIO』では、1997年時点で、朝日新聞が吉田証言が正しくないと認めた、という認識を持っていたことになる。これ以降、朝日新聞が吉田証言をもとに嘘を言い続けているなんて記事を載せていないよね?