本当はこわい仮契約

google「仮契約+解約」を検索すると、「仮契約しましたが、解約できますか」という質問がヒットする。

 そうした質問をする人は、仮契約とは、消費者側から簡単にかつ、ペナルティなしで解約できる契約と解釈されているようだ。
 しかし、そうした意味の仮契約は、法令で定義されてはいない。仮契約という名称であれば、容易に解約できると考えないほうがいい。

 問題なのは、世間一般に広がっている仮契約のイメージを利用して、高額な契約(不動産購入など)に消費者を誘導する業者がいることだ。契約をためらう消費者が、「仮契約だから」と契約を結び、その後、解約をしようとすると、違約金といった高い代償をはらうことになる、というトラブルをよく聞く。

  さらにややこしいのは、契約の実務現場で、停止条件が成就する前の停止条件付契約のことを「仮契約」と呼ぶことがあることだ。
 例えば、地方公共団体が契約を締結しようとすると、種類と金額によっては議会の議決を経なければならない場合がある。
議会の議決に付すべき契約に関する条例
 この時、議会の議決前までは、仮契約であり、仮契約書であるわけだ。
 そうした仮契約書には「議会の議決を得たときに、本契約としての効力を生じるものとする。」といった条文や議会の議決を得られなかった場合、地公共団体側が責任を負わない旨の条文が入っているものだ。
http://www.city.shimoda.shizuoka.jp/doc/reiki/423902200007000000MH/423902200007000000MH/423902200007000000MH.html
 
 その伝でいけば、あなたが高額な契約を考えているときに、業者から仮契約をすすめられたら、あなたが「○年○月○日までに再度、契約の締結の意思を文書で示したときに、本契約としての効力を生じるものとする。」といった条文を入れることを要求するのがいいかも知れない。相手がのむか分からないが。