『「慰安婦」問題を/から考える――軍事性暴力と日常世界』とそれに対するひどすぎるレビューについて


従軍慰安婦問題についての論文とコラムをあつめた本。
日本人従軍慰安婦についてや、各国の軍や政府による管理売春の実態についての論文、橋下氏の名誉毀損発言に対する裁判の経緯についてふれた吉見義明氏のコラムなど、内容は多岐にわたる。

この本について、Amazonのレビューに本書を星一つと評価した上で、「いい加減、嘘をつくのはやめて欲しい」というタイトルのレビューを投稿した人物がいる。

http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4000610058/ref=acr_search_hist_1?ie=UTF8&filterBy=addOneStar&showViewpoints=0

当時、朝鮮で女を集めていたのは朝鮮人自身であり、日本は疫病等が発生しないように監督していただけである。 日本側には責任など存在しない。
そもそも「慰安婦」という名前は適切ではなく、「追軍売春婦」という呼び名の方が正しい。すべて金のために働いた女がいただけ。
本書が根拠としている金学順の証言は、発言の度に内容がころころ変わっており、とても信用できないのは周知の事実である。 なぜそこに触れないのか? 日本を貶めるためにわざとやっているのか?
人の記憶とは意図せずして捏造・書き換えが起こるこということが、最新の研究によって徐々に判明してきている。 証言のみで事件を裁くような裁判は存在してはならない。慰安婦問題も同様で、韓国側の主張する事実を示す1次資料が存在せず、内容のあやふやな証言のみが残るばかり。 日本の悪行とやらを示すものは待てど暮らせど出てこない。 導き出される結論は一つ、日本には何の謝罪の必要もないという事だ。

 本書に収録された論文に金学順さんのカミングアウトにふれたものはあるが、彼女の証言を根拠に論を展開しているものはない。また従軍慰安婦の徴集や軍慰安所の設置運営に日本軍が関与していたことを示す公文書についても述べられている。
 前述のレビューの内容は本書に即したものでは、全くない。レビューの書き手が、実際にこの本を読んだか、読んでいないかに賭けなければならないとしたら、私はためらいなく、読んでいない方に賭けるだろう。