隣の芝生は青いものです。

「世界のこんな国は親日的だ」というテレビ番組や各種記事を目にすることがある。海外の対日感情を紹介すると言うならいいが、(それが正しい情報だという前提があるが)、当該国の国民性が成熟したものだから、とか、それにひきかえ中国や韓国は、という話が出たら、注意報だ。
 「親日国」と言われる国が、日本の隣にあったり、政治的経済的に頻繁にかわからなければならない状況だったら、「親日国」だったとは、断言できない。

 例えば、「親日国」と言えばトルコが挙げられるが、トルコも第1次世界大戦後に「固有の領土」を巡って戦ったギリシャや、オスマン帝国時代のジェノサイドが尾を引くアルメニアと、円満な関係ではない。
「幸福の国ブータン」もブータン国内にいるネパール系住民が迫害を受けて、難民がネパールなどに流入している。母語(母国語じゃないよ)で教育する学校を作ろうとしたら、弾圧を受けて、それまで暮らしたことのないネパールに逃げたネパール系住民もいた。

 近くにあって、緊密な関係があれば面倒なことは必然的に起こるもので、利害のすりあわせも共存の工夫もしなければ、どんな隣人ともうまくやっていけないだろう。