えっ! 問題はそこなの?〜曽野綾子氏の朝日新聞へのコメント

 曽野綾子氏が問題のすりかえとしか言えないコメントを出していた。
http://www.asahi.com/articles/ASH2J5TWDH2JUTIL04N.html?iref=comtop_6_05

私はブログやツイッターなどと関係のない世界で生きて来て、今回、まちがった情報に基づいて興奮している人々を知りました。
 私が安倍総理のアドヴァイザーであったことなど一度もありません。そのような記事を配信した新聞は、日本のであろうと、外国のであろうと、その根拠を示す責任があります。もし示せない時には記事の訂正をされるのがマスコミの良心というものでしょう。
 私は、アパルトヘイトを称揚したことなどありませんが、「チャイナ・タウン」や「リトル・東京」の存在はいいものでしょう。

 驚くべきことに曽野氏のコメントはこれだけなのだ。この後、本文が続くと思ったぞ。
教育再生実行会議の有識者というのが、総理大臣のアドヴァイザーでないというのなら、曽野綾子氏から根拠を示した方がいいと思う。まともな報道機関なら、誠実に対応してくれると思うよ。しかし、曽野氏は「安倍総理のアドヴァイザーであったこと」が批判されているわけではない。新聞のコラムに人種差別的考えを書いたことが批判されているのだ。「「チャイナ・タウン」や「リトル・東京」の存在はいいものでしょう。」も完全に問題のすり替えだ。出身国を同じくする外国人が、生活上の便利のため自主的に集住するのと、権力の強制で「白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む」のはまるで違う。
 さらに曽野氏の先のエッセイが決定的におかしいのは、主観的で恣意的に人類を区分する「人種」によって人間の行動やパーソナリティが判断できるという考えに立っているところだ。血液型占いよりひどい。血液型は検査すれば、判定できるが、「人種」を判定する客観的で普遍的な基準などない。

 曽野氏自身は、十中八九、ご自身を、「黒人ではない」と思っていらっしゃると推測するが、「自分がそう考えるから」とか「常識で」とか「みんながそう言うから」という言い方を使わずに、それを証明できるのだろうか。