産経新聞の「蒸し返し」の例

産経新聞は何が何でも、従軍慰安婦が奴隷だったと言う主張を認めたくないようだ。
【「帝国の慰安婦」在宅起訴】誤解と曲解が独り歩きする韓国社会を反映 異論認めず“聖域化”する慰安婦問題(1/2ページ) - 産経ニュース

記事は朴裕河世宗大教授へ元慰安婦らへの賠償を命じた判決に、慰安婦問題についての日韓合意をからめたものだが、対日関係がからむならともかく、韓国内の名誉毀損裁判が日韓合意に拘束されるはずだ、というのは実に奇怪な考えだ。韓国の裁判所が、政府におもねった判決を出したら、それこそ産経新聞は、「韓国には三権分立はないのだ」「遅れた国だ」と書き立てるだろう。

判決は、韓国政府の意向を反映したとされる河野談話や、事実誤認が含まれる国連人権委員会のクマラスワミ報告書などを根拠にしている。「本人の意思に反し、強制動員され、慰安所で最低限の人間らしい生活も保障されなかった」とし、慰安婦を「性奴隷同様」と断定している。
慰安婦問題は先月末の日韓合意で「最終的かつ不可逆的に解決」するとされたが、韓国内での慰安婦問題への認識に変化はない。批判どころか、わずかな表現でも異論を挟めば、やり玉に挙がる。今回、韓国の司法当局が下した判決が如実にそれを物語っている。

 産経新聞の記事自体言及しているが、 慰安婦を「性奴隷同様」というのは、河野談話から外れている認識ではない。「韓国内での慰安婦問題への認識に変化はない。」と書くが、日韓合意というのは、従軍慰安婦が奴隷だったという意見を封じなければいけない、という条項を含んでいるのだろうか。むしろ、産経新聞の方が、河野談話について「蒸し返し」をおこなってるように読める。