嗚呼!輝かしき旧軍からの伝統〜防衛大のいじめ

防衛大の学生がいじめの加害者である上級生・同級生を刑事告訴した、という事件。防大OBの現役幹部海上自衛官の私的制裁を奨励するかのような、コメントがひどい。


防衛大学生、いじめで同級生を刑事告訴 「いじめは修行」体毛に火、集団暴力、性的暴行… | ビジネスジャーナル
その一方で、同じく防大OBで現役幹部海上自衛官は、「こうしたいじめに耐える、いじめられないように立ち振る舞うことも自衛官としての修行になる」と話す。

「そもそも、いじめに遭うのは動作が緩慢な者か、やたらと正論を吐く理屈っぽい者が多い。自衛隊のような戦闘組織は命令一下、たとえ理不尽な命令でも率先して動かなければならない。動作が緩慢な者はいざというときに組織の足を引っ張る。海外からの侵略や震災などの有事の際は、『何が正しいか』を議論している間に、事態が深刻化することもある。本人の考え方を自衛官らしく矯正し、もし向いていないと判断するならば、別の進路を考えさせることも防大同窓の役目だ」

いじめの被害者側こそ、ふるまいを変えるべきだ、と説く人間が結構いる。私の小学校時代にも、いじめの被害者が、加害者に媚びたり、加害者にとって「役に立つ人間」になればいい、とアドバイスをする人間がいた。私は必ずしも明確な言葉にして考えたわけではなかったが、なぜいじめの被害者側が、そんなコストを負わなければならないのか、と理不尽さを感じた。

自衛隊が内部でのいじめが肯定される、正論が通じない組織だとなると、そのうち、派遣先のアフリカかどこかの小さな村で、自衛隊の小部隊が民間人を虐殺する事件が起こることを真剣に心配しなければならないだろう。