2014-01-01から1年間の記事一覧

被害者に寄り添うかどうか、以前の問題と考える。

朝日新聞のこの記事 http://www.asahi.com/articles/ASGDW760BGDWUTIL01M.html?iref=com_rnavi_arank_nr05 まず、慰安婦問題を巡る現状を整理しておきたい。 「軍による強制連行がなければ日本に責任はない」という主張がある一方で、「意に反して自由を奪わ…

難読のはずが読めてしまう名前

2014年12月29日の朝日新聞の「天声人語」 天声人語:朝日新聞デジタル 言われてみれば、開高健(かいこうたけし)という作家を知らなかったら、開高さんという姓は意外に難読かもしれない。本来は難読だが、その名前の著名人がいるために難読ではない、とい…

従軍慰安婦関連書籍のレビューをレビューする その2〜吉見義明『日本軍「慰安婦」制度とは何か』

「従軍慰安婦関連書籍のレビューをレビューする」の第2弾記事である。 『日本軍「慰安婦」制度とは何か (岩波ブックレット 784)』の評価も星5つ14件に星1つが9件なのに星3つが0件と、両極端に分かれている。(2014年12月29日現在) 星1つのレビューに共通…

従軍慰安婦関連書籍のレビューをレビューする その1〜吉見義明『従軍慰安婦』

『「慰安婦」問題を/から考える――軍事性暴力と日常世界』に付けられたAmazonレビューについて記事を書いた。 『「慰安婦」問題を/から考える――軍事性暴力と日常世界』とそれに対するひどすぎるレビューについて - davsの日記 従軍慰安婦問題についての書籍の…

それではこれからは、慰安婦の「強制性」は「女性の『人身の自由』が侵害されたこと」という考え方が、批判されるいわれはないわけだ。

http://www.asahi.com/articles/DA3S11526917.html 朝日新聞は1997年の特集記事で、戦時中に朝鮮人女性を強制連行したとする故・吉田清治氏の証言を取り上げた記事の誤りを総括しないまま、慰安婦の「強制性」について「女性の『人身の自由』が侵害され…

安心のための差別はゆるされるか

今回の記事は以前書いた さすがにウソはまずいでしょう - davsの日記 と同じテーマの記事で、直接には下のふたつの記事を読んで考えたことである。 子供を性犯罪から守るということについて。幼稚園児の輪に入っていく高校生の話。 - 日なたと木陰 犯罪を行…

これってただ働きでは

東京駅開業100年限定版Suicaデザインは女性車掌 高校で日本画、異色の経歴 制作3カ月、細部まで描き込み(1/2ページ) - 産経ニュース 東京駅開業100年限定版Suicaのデザインを、デザインが本業でない車掌が、勤務後や休日の大半を費やして…

『「慰安婦」問題を/から考える――軍事性暴力と日常世界』とそれに対するひどすぎるレビューについて

従軍慰安婦問題についての論文とコラムをあつめた本。 日本人従軍慰安婦についてや、各国の軍や政府による管理売春の実態についての論文、橋下氏の名誉毀損発言に対する裁判の経緯についてふれた吉見義明氏のコラムなど、内容は多岐にわたる。この本について…

人民戦隊・党レッドの経済綱領に心引かれる〜『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』

『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』を読んだ。 1970年代から現在まで経済論争の潮流を概観しつつ、松尾匡氏が強調するのは、「リスク・決定・責任の一致が必要だ」ということと「予想は大事」ということだ。前者は、リスクが一番あって、そのリスクにかかわ…

論点はそこじゃないだろう。〜南京大虐殺犠牲者国家追悼式についての読売新聞記事

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20141216-OYT1T50136.html 一方的な歴史認識の押し付けは、日本国内の反中感情を増幅させるだけで、非生産的だ。到底、容認できない。 1937年に旧日本軍による南京事件が起きた13日、江蘇省南京の「大虐殺記念館」…

さすがにウソはまずいでしょう

下記の子どもに対する性犯罪対策について夫と考えがかみ合わないという以下のツィートについて。それは、本当の話か、都市伝説じゃないのか、ネットの話を鵜呑みにするのか、そこばかり言及するんだわ。はぁ?子どもの安全には気を付けようという主張に重み…

この商品は、ばら売りできません。

安倍晋三首相は14日、自民党本部で記者会見し、衆院選で自民、公明の与党が衆院475議席の過半数(238議席)を超えることが確実な情勢になったことを受けて、「自公で過半数という目標には到達した。憲法改正は悲願であり、自民党結党以来の目標だ。…

私がまともに表を作成できるようになった日 あるいはExcelに出会った日

何につけ、他人が楽になるのを嫌がる人間というのはいるものだ。履歴書は手書きでないとだめだとか、無痛分娩は母性を損ねるとか、自分が好んで不便と苦痛を味わうならともかく、他人にそれを強制するというのはどういう趣味なのだろうか。 私が最初に就職し…

MIN関数の実際的な使い方 上限値付きの計算

先日、Excelについて書いたからと言うわけではないが、ExcelのMIN関数についての備忘録を兼ねた記事。 引数リストに含まれる最小の数値を返す、というのがこの関数の定例的な説明だ。指定範囲内の最小値を返すというのが、使用方法の例として挙げられる。 MI…

ブロントサウルスの思い出

上野の国立科学博物館で、小学生かと思われる男の子に質問を受けたことがある。 「アパトサウルスはどこですか?」 私も恐竜少年だった自負はあるのだが、はて、そんな恐竜いたっけと、新発見の恐竜なのだろうか、と考え込んだ。 ともかく、恐竜の展示コーナ…

差別される側が差別されないよう努力しろ。しかし、差別に対して抗議や反対するな、と考えている人がいる。

大阪市:「人権問題に関する市民意識調査」の調査結果をとりまとめました (…>人権・多文化共生(ダイバーシティ推進)>イベント・お知らせ)大阪市内に居住している満20歳以上の男女2,000人対象の調査。(有効回収標本数 716標本(回収率35.8%))「差別さ…

そう言えば、天皇が帝国軍人に殺害される架空戦記もあったな

この記事を読んで思い出したこと 「懲罰」として、天皇や米大統領が殺害される怪獣映画を作ってほしい。 - 誰かの妄想・はてなブログ版 以下、ある小説の結末を含んだ内容に触れます。

池田信夫氏の例の法則は健在のようです。〜今度はニューヨークタイムズの記事をねじまげました。

「池田信夫氏の3法則」なるものが提唱されている。 第2法則:池田信夫氏がもっともらしく引用する高名な学者の著書は、確かに存在するが、その中には池田氏の議論を根拠づけるような記述は存在しない蓋然性が高い。 という法則を遺憾なく発揮されている新し…

50年後には「ブラック企業なんてなかった説」が、世を席巻しているかも知れない

「15分単位の勤怠管理」っておかしくない? 遅刻は切り上げ、残業は切り捨て… 元記事は時間外労働の時間数をどう計算するかについてのものだ。一日15分の時間外労働を月に21日した場合、合計5時間15分になる。これを月ごとに集計し、15分を切り捨てて5時間の…

「まず『WiLL』や『正論』を読んでから発言せよ。」って、冗談だろう。冗談と言ってくれ。

(483)朝日叩きを「メディアリンチ」と報じる海外メディアの無知、曲解…どれだけ、自分の無恥をさらけ出せるか試みました、の記事としか言い様がない。 NYタイムズ、マーティン・ファクラー東京支局長。 〈「朝日の報道がウソだったからといって、慰安…

それほど被害者数が重要なのだろうか?

従軍慰安婦の記事を書くと、お定まりのように「20万人〜」という人がわいてくる。南京虐殺についても犠牲者数にこだわる人もいる。どうやら、非人道行為の被害者の数が確定しないならば、非人道行為があったとは言えないと考えているようなのだが、なんと…

正しく理解されていますよ。読売新聞さん

Apeman氏の記事(『読売新聞』も世界を相手にした「歴史戦」の宣戦布告へ - Apeman’s diary)で知った読売新聞の「おわび」(http://www.yomiuri.co.jp/national/20141127-OYT1T50116.html?from=tw)についてガーディアンの記事で書かれていた。主流の歴史的…

和紙のユネスコ無形文化財登録についての中央日報記事へのコメントがひどすぎる件

日本伝統紙「和紙」、ユネスコ無形文化遺産登録の見通し | Joongang Ilbo | 中央日報 上記中央日報日本版の記事は、論評もなく、ただ事実を伝えているだけで、無形文化財登録に異を唱えているわけではない。ところが、そこに付けられたコメントというのが、…

本当はこわい仮契約

googleで「仮契約+解約」を検索すると、「仮契約しましたが、解約できますか」という質問がヒットする。 そうした質問をする人は、仮契約とは、消費者側から簡単にかつ、ペナルティなしで解約できる契約と解釈されているようだ。 しかし、そうした意味の仮…

『「相対的貧困率」による統計マジック』という記事が統計マジックに陥っている件

「相対的貧困率」による統計マジック - 開米のリアリスト思考室 開米瑞浩氏が書いた元記事では、「OECD24ヶ国で貧困率を計ると、日本はワースト5に入る、貧困層の多い国である」という理解は誤りとしている。 その根拠は 1. この主張の「貧困率」とは「相…

『ひと目でわかる「慰安婦問題」の真実』

ひと目でわかる「慰安婦問題」の真実作者: 水間政憲出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2014/11/14メディア: Kindle版この商品を含むブログ (4件) を見るこの本が、書店にないのは、「在日」や「反日日本人」の陰謀のせいらしい。 緊急拡散希望《『ひと目で…

警察からの問い合わせ電話にこたえるにあたって

警察からの照会電話がたびたびかかってくる職場で働いていたことがある。 警察からの照会だからこたえることが許される、あるいはこたえなければならない照会が多かったのだが、必ず守らなければならないルールがあった。 それは、その電話ではこたえず、一…

原野商法の「2次被害」と宅建業者の報酬

http://www.asahi.com/articles/ASGC44D7GGC4PTIL00Y.html 原野商法とは、山奥の原野や山林のような無価値に等しい土地を、「近く新幹線(高速道路)が通って地価が確実に値上がりする」などと偽って、言葉巧みに高額で売りつけるという悪徳商法だ。その被害…

また、池田信夫氏がおかしなことを言っています。〜従軍慰安婦は一種の徒弟修行!?

池田信夫 blog : アメリカ人の誤解している「性奴隷」 それに対して日本では、奴隷も人身売買も公認されたことはない。慰安婦の多くは年季奉公であり、これは職人や丁稚にもみられる古くからの慣習だった。これを"indentured servitude"などと訳すのが間違い…

従軍慰安婦問題否認論記事を書くために大事なこと〜無論、皮肉です。

1 強制連行の定義は狭く狭くしましょう。 従軍慰安婦問題は、「官憲が家に押入って」連行したか、どうかが、争点であるという立場を貫きましょう。また、それらがなければ、何一つ問題がないと主張しましょう。 日本軍が選定した業者が、略取、誘拐や人身売…