被害者に寄り添うかどうか、以前の問題と考える。

朝日新聞のこの記事
http://www.asahi.com/articles/ASGDW760BGDWUTIL01M.html?iref=com_rnavi_arank_nr05

まず、慰安婦問題を巡る現状を整理しておきたい。  「軍による強制連行がなければ日本に責任はない」という主張がある一方で、「意に反して自由を奪われた」という「強制性」が問題だという論調もある。前者は公文書に重きを置くあまり裁判で認定されるなどした証言を考慮しようとしない。後者は逆に、被害者に寄り添うあまり客観的に事実を把握しようという姿勢に欠ける。
熊谷奈緒子氏は、「どっちもどっち」と言っているのだが、軍が兵站付属施設として、売春施設を開設・運営したり、そこで誘拐や人身売買の被害者が働かされている、というのは、被害者によりそわなくても、客観的に見ておかしなことだと思う。
一連の作業を前提に、アメリカやソウルでの慰安婦記念碑や像に刻まれた「20万人」の被害者数などの誤った認識について修正を求めていけばよい。真相究明のためであることが伝われば、「言い訳」には映らないだろう。

 熊谷奈緒子氏は、従軍慰安婦制度の被害者数が「20万人」でないことについて確信を持っているようだ。それでは何人に修正すればよいというのだろうか。
 賭けてもいいが、「20万人」の被害者数が、例えば「2万」に修正されても、従軍慰安婦問題否認論者は、修正要求を続けるだろう。おそらく、従軍慰安婦制度による被害など何一つなかった、という「真相」が出るまで。
 それが理解されているから、被害者数にこだわるのは「言い訳」ととられるのだと思うよ。