これが一般的な慰安婦問題についての認識だとしたら絶望的だ。

こういう記事を偶然発見しました。 「被害者」は稼げる。被害者ビジネスが世界各国で流行。 : チョコの株式投資Diary(米国株の高配当・連続増配株投資)ブログは投資ブログであって、歴史問題のブログではないようですが、筆者にとって従軍慰安婦制度や原爆…

ネトウヨVSネトウヨ

今回は小説仕立てでいきます。 同じゼミに所属しているオサミチとミオが、さんさんと陽光の降り注ぐカフェテリアをまっすぐ横断して、こちらにやってくるのが見えた。僕は好物のカツレツを食べていたのだが、食欲が半減したのを自覚した。たったふたりしかい…

SFに登場する奴隷の描写について

アーネスト・クラインの『ゲームウォーズ』を読みました。 人類にとって革新的なネットワーク世界オアシスが生活にも密着した2041年が舞台。開発者のジェームズ・ハリデー(ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズあたりがモデルだろう)の莫大な遺産の争奪戦が…

メーテルアイコンさんの従軍慰安婦問題についての間違いだらけの主張

慰安婦問題について、以下のような主張をしている人がいました。 自信たっぷりに書いていますが、よくここまでというぐらいひどい間違いがあります。 まずQ1のIWG報告書についてmonk.jp氏の主張 答え monk.jp氏は、韓国政府の要求で、アメリカ合衆国当…

池田信夫氏、他人を「当たり屋」よばわり〜 バニラ・エア問題で逆張りの本領発揮

池田信夫氏は、ユナイテッド航空の機内から乗客が引きずり出された事件で、ユナイテッド航空を擁護していました。 【追記あり】オーバーブッキングは合理的である – アゴラしたがって、バニラ・エアの事件でも、告発者の側を論難するだろうと思っていました…

国費外国人留学生の75%以上が中国・韓国からの留学生というのはデマ。そして国費外国人留学生の75%以上が中国・韓国からの留学生であっても問題ない。

外国人留学生が、日本人学生に比べて異常に手厚い奨学制度の恩恵を受けている。しかも、それを利用する外国人留学生75%以上が、反日国家の中国・韓国からの留学生だ。彼らに血税を使わせるな、と主張するブログ記事がありました。 日本人を苦しめ留学生を優…

労働基準法と前借金

公娼制や従軍慰安婦制度でつきものの、前借金契約は、現代日本では違法だ、とは皆が理解しているところだと思いますが、実際の法律ではどうなっているか気になるところです。 労働基準法で、「前借金」という言葉が登場するのは、第17条です。 (前借金相殺…

やはり、従軍慰安婦は性奴隷というしかない〜『漢口慰安所』のエピソードから

吉見義明氏の『日本軍「慰安婦」制度とは何か』 (岩波ブックレット 784)にも、紹介されていますが、漢口の陸軍慰安所に勤務し『漢口慰安所』(図書出版社)、その衛生管理も行なった軍医大尉の回想録に、慰安婦になるための性病検査を受けることを抵抗する女…

日本軍の占領地は、刑法第226条の「帝国外」にあたるか、という問題

従軍慰安婦問題を語るとき、必ず出てくるのが、当時の刑法第226条である。 「帝国外ニ移送スル目的ヲ以テ人ヲ略取又ハ誘拐シタル者ハ、二年以上ノ有期懲役ニ処ス。 帝国外ニ移送スル目的ヲ以テ人ヲ売買シ、又ハ被拐取者若クハ被売者ヲ帝国外ニ移送シタル者亦…

人間は、ハリウッド製アクション映画の登場人物ではない。

女性が被害者になる性犯罪や監禁事件がおきると、決まったように、何故、逃げられるはずなのに、逃げなかったのか、自衛すべきだったのだ、と言い出す人が出ます。いつでも、自分を害することができる監禁犯に見張られている女性が、隙ををみて、監禁の自動…

この池田信夫の論理はおかしい。よくあることだけれど

慰安婦問題を現代の価値観で裁くのはナンセンス – アゴラ池田信夫氏が上の記事で、橋下前大阪市長から従軍慰安婦問題について、批判を受けたことに反論している。 橋下前大阪市長の「慰安婦が必要だった」発言を援護射撃しなかったことを責められての、反論…

『丸刈りにされた女たち――「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅』

今回紹介する、藤森晶子氏の『丸刈りにされた女たち――「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅 』(岩波現代全書)を、私がこの本を手にする契機となったのは、下のごとく、ナチスドイツ占領下のフランスで、ドイツ軍の将兵と交際していた女性は、「慰安婦」なのだ。…

従業婦が業者の拘束下におかれているかの基準〜『売春と前借金』その2

前回紹介した『売春と前借金』は、従業婦が業者の拘束下におかれているか、の基準について、1949年に出された労働省労働局長通牒(昭和24年3月3日、労働省基発264号)を紹介している。(pp.169-170) 以下の事項すべてに該当する場合を除き、店主と接客…

前借金は借金ではない〜『売春と前借金』(日本弁護士連合会編)

従軍慰安婦問題に限らず、人身売買をあつかった書物には、必ずと言っていいほど「前借金」という言葉が登場する。日本弁護士連合会が1974年に出した『売春と前借金』(1974年)(高千穂書房)は、その前借金契約に焦点をあてて、売春問題について書いたものだ…

大量殺戮には必ず、アウシュヴィッツ並の施設が必要などということはない〜『再審「南京大虐殺」』のおかしな論理

下のいかにもな雑誌を立ち読みしていたら、アウシュヴィッツを引きあいに出した南京事件否定論にあたった。日中韓政治経済戦争2016~ニッポンが勝利する100の理由 (英和MOOK)出版社/メーカー: 英和出版社発売日: 2016/08/04メディア: ムックこの商品を含むブ…

それなら、再分配政策しかないじゃないか。

そもそも、ピーター・シンガーの意見に賛同できない〜ふたたび障害児の排除について - davsの日記 上記の記事で言及した作家の橘玲氏が、経済格差は遺伝に起因するという記事を書いていた。非正規という身分で差別 貧困層に落ちていく希少性を持たない若者 -…

蝶々トンボも鳥のうち

過日、下のようなツィートを投稿したところ、意外なほど多くの反応をいただいた。自衛隊を批判する奴は、自衛隊による災害救助活動を受けるなという主張を見かけた。これが正しいのなら、左翼思想が嫌いな奴は、8時間労働制や最低賃金制による保護を受ける…

中国海軍が機雷敷設でシーレーンを封鎖!〜でも、一体、どこにどうやって敷設するのだろう。

中国脅威論は右派メディアの定番のコンテンツだが、1980年代のソ連脅威論の焼き直しというべきだろう。中国脅威論とかつてのソ連脅威論が、大きくと違うのは相手の軍事力に対する評価だ。かつてのソ連脅威論では、ソ連軍は強大さを強調することが常のことだ…

池田信夫氏の誤解している「三段論法」

池田信夫氏は立憲主義も三段論法も誤解しているようだ。 池田信夫 blog : 朝日新聞論説主幹・根本清樹氏の誤解している「立憲主義」 池田信夫氏は、憲法は一般の国民ではなく、国家権力を縛るものだ、という立憲主義の考えに反対して、国民は憲法を守らなけ…

せめて歴史修正主義者の方々で意見を統一してほしい。〜『別冊正論26「南京」斬り』

「南京」斬り 「大虐殺」は蔣介石と中共の?国共合作?―ウソと実像を見極める― (別冊正論26)作者: 産経新聞社別冊正論編集部出版社/メーカー: 日本工業新聞社発売日: 2016/03/22メディア: ムックこの商品を含むブログ (1件) を見る『別冊正論26「南京」斬り…

赤紙=召集令状について、左翼がデマを流しているというデマ

トリヴィアは所詮トリヴィア - Apeman’s diary 上のApeman氏の記事にもあるように、左翼が「赤紙」について、印象操作を行って、徴兵制への不安を煽っている、という主張がある。 ちなみに「赤紙&サヨク」でgoogle検索してみたら下のような結果だ。 赤紙 サ…

コミンテルン最強伝説〜『真実の朝鮮史【1868-2014】』

今回、取り上げるのは、『真実の朝鮮史【1868-2014】』(宮脇 淳子・倉山 満著)だ。倉山満氏については、その著作を以下の記事で取り上げた。 『帝国憲法の真実』〜人生において何の役にも立たないことだけは約束します。 - davsの日記 『帝国憲法の真実』そ…

それでも、歴史修正主義者にNOと言わなければならない。

拙ブログで、従軍慰安婦問題や南京事件についての歴史修正主義的主張に対する反論をいくつか書いてきた。正直に言えば、「従軍慰安婦は業者が勝手に連れてきた」とか「南京事件を目撃し、記録した外国人は国民党政府のエージェント」とか、ネットに書き込ん…

慰安婦が性奴隷かどうかは内心の問題ではない。

自らの歴史修正主義的な意見を、他人からの批判から守るために思想信条や内心の自由を持ち出す人がいる。左翼は歴史認識や解釈が違うだけで歴史修正主義のレッテルを貼ってくるから厄介。慰安婦の存在自体を否定したら流石に歴史的事実の否定だが「性奴隷か…

そもそもまとめのタイトルがおかしい〜AP通信の影山優理記者の記事についてのまとめ

前回の記事で言及した池田信夫氏の記事は、AP通信の影山優理記者の記事が発端だったが、その記事を探していると、以下のまとめサイトにたどりついた。AP通信・影山記者は「日本軍が強制連行した」という記事を未だに発信 - Togetterまとめ従軍慰安婦問題否定…

うちの奴隷制はよい奴隷制〜『イスラーム史のなかの奴隷 』

http://www.asahi.com/articles/ASJ2L7JGBJ2LUHBI02H.html 上の記事の杉山晋輔外務審議官は、「なお、「性奴隷」といった表現は事実に反します。」と言いつつ、その根拠を述べていないが、彼と同様に従軍慰安婦は奴隷ではないという人の多くは、慰安婦が好待…

「その証拠はどこにあるのか。」ってお前が言うか〜久しぶりの池田信夫氏

久しぶりに池田信夫氏が従軍慰安婦問題について書いていた。 AP通信の影山優理記者は「正義」なのか – アゴラ 期待に背かず(?)最初から飛ばしてくれる。 NYTなど欧米メディアが、朝日新聞の「自白」で慰安婦問題についての報道をトーンダウンさせた中で、…

ああ、自動ミルク製造機がほしい

子どもが生後6ヶ月をこえ、離乳食を食べはじめたが、妻と分担して日に5回の授乳はかかせない。(わが家は完全ミルク育児なのだ)ヒトもほ乳類である以上、仕方ないとは言え、これが結構面倒くさい。 手をよく洗う。 水を沸騰させる。 ほ乳瓶に規定量の粉ミ…

『第三のチンパンジー』とタスマニア人へのジェノサイド

ジャレド・ダイアモンドの『若い読者のための第三のチンパンジー: 人間という動物の進化と未来』が出ていたので、早速、購入の上、読んだ。 タイトルからは分かりにくいが、『人間はどこまでチンパンジーか?―人類進化の栄光と翳り』に、その後の新しい知見に…

スマラン事件を個人の犯罪と言うためには

従軍慰安婦問題否認論は、たいてい「軍や官憲による暴力的な強制連行はなかった」と問題を矮小化させつつ、正しくないことを主張するわけですが、これに対し、例えばスマラン事件のことを指摘しても、「いや、あれは個人的な犯罪であって、軍組織の犯罪では…