国費外国人留学生の75%以上が中国・韓国からの留学生というのはデマ。そして国費外国人留学生の75%以上が中国・韓国からの留学生であっても問題ない。

外国人留学生が、日本人学生に比べて異常に手厚い奨学制度の恩恵を受けている。しかも、それを利用する外国人留学生75%以上が、反日国家の中国・韓国からの留学生だ。彼らに血税を使わせるな、と主張するブログ記事がありました。
日本人を苦しめ留学生を優遇する奨学金制度 - himikoの護国日記
別に国費外国人留学生の大半が、中国・韓国からの留学生であっても、選考が公正におこなわれているのなら、全く問題はないはずですが、ブログ主の考えは違うようです。

 しかも、元記事で厚遇されているという国費外国人留学生の「75%以上が中国・韓国からの留学生です。」というのが、全くの誤りなのだ。

 元記事では下のような表を掲載して、「さらには、これらを利用する「外国人留学生」のうち75%以上が中国・韓国からの留学生です。」と主張しています。ところが、この表からいくら計算しても、国費外国人留学生のうち、中国・韓国からの留学生の割合は28.7パーセントと三割もありません。それでは、私費留学生も含めた留学生全体に占める中国・韓国からの留学生の割合を、持ち出しているのか、と計算すると、こちらも74.4パーセントと「75%以上が中国・韓国からの留学生」とはなりません。ブログ主は、どうせ誰も、掲載表から計算しないだろうと故意にデタラメな数字を書いたか、全く計算できていないのかのどちらかでしょう。

 さらにこの問題について、文部科学省が「我が国の国費外国人留学生制度について、事実を誤認した内容の記事等が流布されている事例が見受けられました。」として、下のようなwebページを作っていました。

国費外国人留学生の受入人数について:文部科学省
 
 その第一番目が、「国費外国人留学生制度においては、中国人留学生が大半を占めているのではないですか。」という問いに対する回答なのだから、泣かせます。
「国費留学生総数は、平成24年5月現在で8,588人です。このうち中国籍の国費留学生は1,411人と国費留学生全体の16%程度であり、国費外国人留学生制度の予算の大半を中国人留学生に支給しているということはありません。」「なお、国別の留学生総数と、そのうち国費留学生数の割合についても中国は1.6%であり、全体の平均(6.2%)と比しても低い割合となっています。」ということだが、おそらく、ブログ主のように、文部科学省に抗議の電話をかけるような御仁も多いのでしょう。文部科学省の方々もお気の毒にとしか言いようがありません。

 ブログ主は、文部科学省に電話したときの録音を、元記事にアップロードしていましたが、その中で「いもしない従軍慰安婦」と言っていました。私も、従軍慰安婦は性奴隷ではない、単なる金目当ての売春婦だ、と言い張る人は見ましたが、従軍慰安婦の存在自体を否定する人ははじめて見ました。