2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

この池田信夫の論理はおかしい。よくあることだけれど

慰安婦問題を現代の価値観で裁くのはナンセンス – アゴラ池田信夫氏が上の記事で、橋下前大阪市長から従軍慰安婦問題について、批判を受けたことに反論している。 橋下前大阪市長の「慰安婦が必要だった」発言を援護射撃しなかったことを責められての、反論…

『丸刈りにされた女たち――「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅』

今回紹介する、藤森晶子氏の『丸刈りにされた女たち――「ドイツ兵の恋人」の戦後を辿る旅 』(岩波現代全書)を、私がこの本を手にする契機となったのは、下のごとく、ナチスドイツ占領下のフランスで、ドイツ軍の将兵と交際していた女性は、「慰安婦」なのだ。…

従業婦が業者の拘束下におかれているかの基準〜『売春と前借金』その2

前回紹介した『売春と前借金』は、従業婦が業者の拘束下におかれているか、の基準について、1949年に出された労働省労働局長通牒(昭和24年3月3日、労働省基発264号)を紹介している。(pp.169-170) 以下の事項すべてに該当する場合を除き、店主と接客…

前借金は借金ではない〜『売春と前借金』(日本弁護士連合会編)

従軍慰安婦問題に限らず、人身売買をあつかった書物には、必ずと言っていいほど「前借金」という言葉が登場する。日本弁護士連合会が1974年に出した『売春と前借金』(1974年)(高千穂書房)は、その前借金契約に焦点をあてて、売春問題について書いたものだ…