そもそもまとめのタイトルがおかしい〜AP通信の影山優理記者の記事についてのまとめ

前回の記事で言及した池田信夫氏の記事は、AP通信の影山優理記者の記事が発端だったが、その記事を探していると、以下のまとめサイトにたどりついた。

AP通信・影山記者は「日本軍が強制連行した」という記事を未だに発信 - Togetterまとめ

従軍慰安婦問題否定論者は、議論の場を、朝鮮半島において、官憲による暴力を用いた慰安婦の連行があったか、あるいはそうした連行を裏付ける公文書があるか、という狭小なものにしたがるのだが、このまとめ記事もその例にあたはまる。

 まとめで言及されている影山記者の記事はアンジェリーナ・ジョリー監督の映画『不屈の男 アンブロークン』がついに日本で公開されたというものだ。
http://bigstory.ap.org/article/e44e64dfffa147c39e9c3f1289276165/angelina-jolies-film-unbroken-finally-opens-japan
 この映画が「反日」として、攻撃されたこと、その背景の日本軍の蛮行を認めない風潮についての記事だ。従軍慰安婦については、「彼ら(日本軍の蛮行を認めない人々:引用者)は、アジア諸国、特に朝鮮の女性が、日本軍によって売春を強制されたことを示す歴史研究を拒絶する。あるものは、国際連合が使用する「性奴隷」という用語に反対して、婉曲語の「慰安婦」を好む」と書いている。「日本軍が強制連行した」という記述はない。あきらかに、まとめのタイトルはおかしい。記事の内容の一部でしかない、慰安婦問題についての記述すら、反映していない。

前回の記事で書いた通り、池田信夫氏は「影山記者のいう「日本軍の連行した性奴隷」は、どこにいたのか。その証拠はどこにあるのか。」と書いていたが、これに対応する影山記者の記事は、どれなのだろう。あるいは、例の「池田信夫の第2法則」なのだろうか。

影山氏の記事は、従軍慰安婦問題については、例えば河野談話からはみ出ている訳ではないし、「性奴隷」という用語に反対している人は、「慰安婦」という婉曲語をとびこえて、自発的な金目当ての売春婦と言い募っているのが、現状だから、むしろ、おだやかとさえ言える。

”women were forced into prostitution by the Japanese military” 韓国女性の場合、親が売り業者が強制したのは明らか。何故「日本軍が強制した」という嘘を世界に喧伝するの?

 CatNA@CatNewsAgency氏は、「大坂城を建てたのは誰ですか?」という問いに、「大工さん!」と答えるのだろう。なるほど、こうした場合、「豊臣秀吉が建てさせた」という使役形でしか表現できない言語もある。しかし、「日本軍が業者に強制させた」と言いかえても、日本軍の責任がいささかも軽くなるわけではない。