要するに国際的モンスタークレーマーの同調者だと自白しているわけだね。

 カリフォルニア州グレンデール市の慰安婦像裁判は、原告のボロ負けに終わったのだが、以下の記事で原告の敗因が解説されている。
グレンデール市の慰安婦像裁判は、なぜ原告のボロ負けに終わったのか / 小山エミ / 社会哲学 | SYNODOS -シノドス-
 原告側は、慰安婦像やプレート設置のメッセージの内容には一切反論せず、市側の意思決定プロセス等を問題にする戦術に徹したが、裁判所に「ごちゃごちゃ言うとるけど、慰安婦像とプレートによって表明されたメッセージにいちゃもんをつけてるんやな」と本音を見抜かれ、大敗を喫してしまったということだ。
 もし原告が勝利していたら、彼らは、慰安婦像やプレート設置のメッセージ内容を争点にしていないのにかかわらず、
慰安婦問題の捏造をアメリカの裁判所も認定した!」
とふれまわったことだろう。

この裁判に関して、菅官房長官が原告に共感を示していたが、これは訴えが退けられた後のコメントである。原告の訴えが認められたら「民主主義の根本的な原理に反するものだ」と評されているのだが。日本が、民主主義や人権などの価値観を共有できない国とみなされても、大日本帝国や旧日本軍の名誉を回復したいと考えているのかも知れないが、まきこまれる方はたまったものではない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150225-00000521-san-pol
菅義偉(すがよしひで)官房長官は25日午前の記者会見で、米グレンデール市の慰安婦像の撤去を在米日本人らが市に求めた訴訟で、ロサンゼルスの州裁判所が原告の訴えを事実上退ける方針を示したことに関し「米国内で慰安婦像や碑の設置はわが国政府の立場やこれまでの取り組みと全く相いれない。極めて残念なことを受け止めている。現地の在留邦人の方もおそらく同じ思いで訴訟に踏み切ったと思う」と述べた。

在ロサンゼルス日本国総領事館も、わざわざ、在米日本人へのいじめの事例を収集しようとしたが、グレンデール市の慰安婦像裁判の原告は、慰安婦像のせいで日本人がいじめられている、という論点を持ち出さなかった。(あるいは持ち出せなかった)

Consulate-General of Japan in Los Angeles
いわゆる歴史問題を背景とした,いやがらせ,暴言等の被害に遭われた方,具体的な被害情報をお持ちの方は,下記までご連絡・ご相談ください。プライバシー,個人情報の保護に適切に配慮の上,当地関係機関への情報提供支援など対応いたします。

 しかし、なぜ、「いわゆる歴史問題を背景とした」と限定するのだろうか。例えば、動作が鈍くてチームスポーツの足を引っ張っているせいでいじめられたりしても問題はないと言うのか。
 この、在ロサンゼルス日本国総領事館のよびかけに、嫌悪感をいだいてしまうのは、在留日本人の人権を守るかのように装っていても、人権侵害の事例を利用して、大日本帝国や旧日本軍の名誉を回復したいという思いが透けているからだ。むしろ、在米日本人へのいじめの実例があった方がよかったと考えていたのでは、とすら思ってしまう。