2月11日は非実在君主の非実在即位記念日です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150211-00000086-san-soci

まず、「母数が異なるため単純な比較はできない」と書いてあるが、母数よりサンプリングの方法が異なるから、比較できないのだ。記事を書いた人間は、北海道から沖縄まで全国10都市の街頭で声をかけられた18歳以上の男女約1万人の方が、無作為抽出された300人より、調査対象として優れていると思っているのかも知れないが、金曜日の夜の歓楽街で聞くのと、日曜日の午後に博物館の前で聞くのでは、回答者に大きな差が出るだろう。街頭はよいサンプリングの場とは言えない。

加えて、各国の「建国の日」と日本のそれとの性質の違いもある。グラフに登場する各国の「建国の日」を表にまとめた。調査対象となった外国人が、政治的信条から異なる日を「建国の日」として答えた可能性もある。その場合、正解と判定されたか気になるところだが、いずれにしても、実際に起こったことがらをベースに「建国の日」がさだまっている。

中国1949年10月1日中華人民共和国の成立の宣言(国慶節)
カナダ1867年7月1日英領北アメリカ法によるカナダ自治領の成立
米国1776年7月4日アメリカ独立宣言の採択日
フランス1789年7月14日バスティーユ襲撃
ドイツ1990年10月3日東西ドイツの統一
イタリア1946年6月2日王政廃止に関する国民投票

 一方、日本青年会議所産経新聞が正解とする日本の「建国の日」は紀元前660年(!)2月11日だ。メソポタミアにはアッシリア帝国があった頃、中国では春秋時代だった頃に、非実在君主が即位したとされる日だ。まともに歴史教育をしようとしたら教えるのが不可能だ。まさか、縄文時代についての説明の間に「神武天皇が、今の宮崎県で・・・」とやるわけにいくまい。

日本JC国史会議議長の棟久裕文(むねひさ・ひろふみ)氏は「日本では自国を誇りに思いながら、建国は知らないという矛盾した状況になっている。グローバル社会に向け、義務教育段階から建国を含めた国史教育を充実させていく必要がある」と話している。

 なるほど、歴史以外に「国史」というファンタジーを教える科目をつくれ、ということなのだな。
 まじめな話をすると、日本の建国をサンフランシスコ講和条約や、日本国憲法の成立においてもいいはずで、非実在君主の即位を起点にしなければいけないか、理解に苦しむ。