だまして売春させることが悪いとは考えているのだろうか。〜産経新聞の「歴史戦」

【歴史戦 第11部 もう一つの慰安婦問題(2)】ベトナム戦争時の韓国軍慰安所「売春宿、だまされて来た女性も」(1/4ページ) - 産経ニュース

scopedog氏が慰安婦問題否認論者の認識を「強姦魔の娘だから強姦しても構わない」という考えと言っていたが、産経新聞においては、この認識が、あいかわらず健在のようだ。記事はベトナムに韓国軍の慰安所があったのだから、日本軍の慰安所についてとやかくいうな、という流れだが、最後にこんなことが書いてある。

戦時中、歩兵部隊を率いていた元米軍将校は、施設を利用したことはなく伝聞だと断った上で、「慰安所は売春宿だった。それ以外の何ものでもない」と言い切った。女性たちについては「主にベトナムの地方出身者だった。貧困から家族によって送り出される場合もあれば、自発的にやってくる女性もいた。だまされて連れてこられた人もいただろう」と述べた。

 産経新聞としては、女性は、官憲に暴力を用いて連行されてきたわけではないのだから、問題はない、また軍が女性の連行を命じた公文書はどこにあるのだ、と主張しないと、いつもの論調と整合しないはずだ。しかし、どうもいつもと違う基準を適用することに疑問を感じないようだ。

もうひとつ産経新聞記事から
http://www.sankei.com/world/news/150408/wor1504080034-n1.html

「韓国挺身隊問題対策協議会」の尹美香常任代表は8日の集会で、日本が慰安婦問題での加害の事実を認めないと主張しながら「私たちが(他国に)被害を与えたことを認めなければ日本と同じになる」と、ベトナムから被害者を招いた理由を述べた。韓国軍が1968年に中部クアンナム省で約70人を殺したとされる事件で母や姉など5人を失ったグエン・ティ・タンさん(55)は、日本への要求行動を「同じ戦争の被害者として応援したい」と話した。

 この記事、日本や韓国の軍隊の暴力の被害者の連帯を支持する、産経新聞らしからぬ(?)記事だと思っていたら、最後のクレジットをみたら、共同通信の配信記事のようだ。しかし、産経新聞自身の「歴史戦」記事への強い批判にしか読めないというのが、皮肉なことだ。