落ちつけ、落ち着いて計算するんだ〜日本兵はスーパーマン理論

NNNドキュメントにさそわれて、あらわれた歴史修正主義者の中でも、最もトンデモないことを言っているのが下の例。


 1人の兵士が、1秒間に100人を殺したとすると、1時間では
60秒×60分×100人=36万人となる。gamu(小馬座)氏の精神世界では、南京事件はたった1人の兵士が起こしたことだ、という反日勢力がいるらしい。ちなみに兵士の数が、200人(およそ1個中隊)だと、7200万人、2万人(およそ1個師団)だと72億人! という世界人口をこえる殺害数になってしまう。おそらくは、数字いじりの「日本軍は、そんなたくさんの人間を殺せないはずだ」というオリジナルの主張があって、このツィートはその劣化コピーなのだろう。強調しなくてはならないのは、南京事件の犠牲者数についての議論は、犠牲者数の議論であって、南京事件が現実に起きたかの議論ではないということだ。犠牲者数が1人の単位で、しかも疑問の余地なく確定しないと、事件があったことにならないというのは、倒錯した主張だ。
 
 こうした主張を認めるなら、東京大空襲もおよそ300機のB29による空襲で10万人の犠牲者が出たというが、1機のB 29が300人以上を殺せるのか検討しないと、東京大空襲があった認めない、という議論にも付き合わなくてはいけない。